ある掃除機の一生

 高校の頃に購入し、15年間使い続けた掃除機が、先日動かなくなりました。
 5年ほど前にスイッチが壊れ、コンセントにさすと動き出し、抜くと止まる、という不便な使い方をずっと続けてきましたが、ついにうんともすんとも言わなくなりました。
 僕は大学に入る前までは一度も引越しをしたことがありませんでした。
 しかしその後、まるでその穴埋めをするかのごとく、今日まで7回引越しをしました。
 その度に僕はこの掃除機を持っていったので、この掃除機も7回引越しをしたことになりますし、引っ越すごとに最後の大掃除はこの掃除機で行なってきました。
 もともと地元の電気屋で、展示品処分で 9,800 円で売っていた掃除機です。
 この前地元に戻ったら、その電気屋も、今はつぶれて学習塾になっていました。
 大して思い入れのあった掃除機ではありませんが、いざこうして壊れてみると、この掃除機のたどった歴史を思い、何だか哀悼の意を表したくなります。
 16歳〜31歳という、人生で一番変化の多い時期に僕が出したホコリを吸い続けてくれた掃除機。あの時も、この時も、この掃除機がそばにいて(って書くとちょっとオーバーですが)、部屋をきれいにしてくれたんだなぁって思うと、僕はこの掃除機にとって良い持ち主だったのだろうか、と少しだけ反省してしまいます。
 僕は物持ちがいい方だと思いますが、ここ数年、エアコン(引越し回数2回)も洗濯機(同3回)もビデオ(同4回)もステレオ(同6回)もみんな寿命で動かなくなり、買い換えました。
 当たり前のように使っていたものが動かなくなった瞬間って、すごいショックです。
 何だか自分の何かが悪くて、とどめを刺してしまったのではないかという気がする。
 唯一、まだ問題なく動いているのは、これも高校生の頃アルバイトをして買ったテレビ(引越し回数7回)だけ。
 テレビには稼動部分がないので、こちらはまだまだ使えそうです。
 新しい掃除機はオレンジ色でとっても綺麗。
 この掃除機を買い換える頃、僕は何をしているのかな。

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