催眠温泉

温泉は好きですか?

日常を離れて温泉へ行くと、心も体もリラックスできて、疲れも癒されますよね。また温泉によってはいろいろな効能があり、病を癒す効果も確認されています。

でも、一度温泉へ行ったからって、もう一生疲れないようになるとか、一生リラックスしていられるとかいうわけではありません。また、一度温泉へ行ったからといって、病がピタッと治ってしまうことも多くはないでしょう。温泉療法をしている病院があるように、ある程度その場所に滞在し、何回も温泉に入る必要があるかもしれません。

もし温泉へ行っても、また疲れてしまったり、一度で病が治らないのならば、温泉へ行く意味ってないのでしょうか?

そんなことはありませんよね。

日頃のストレスから解放され、明日からの生活がまたいきいきしてくるのであれば、温泉には意味があるでしょう。また、他の療法ではまったく効果が得られない病であれば、例え回数がかかっても、温泉療法には意味があるでしょう。

実は催眠も、温泉とまったく同じなのです。

施術を依頼される方とお話をすると、「でも暗示の効果は長続きしないんですよね?」と質問されます。私もこのホームページでそのように書いていますし、多くの催眠関連の本にもそのように書かれています。

実際に暗示の効果がどれくらい長続きするかについては、個人差や、暗示の内容、心の状態によって違ってきますので、一概に○○日くらい、と言うことはできません。それこそ、セッションが終わって部屋を出た途端に効果が無くなってしまう場合もあれば、それを境に何年にも渡って効果を表す暗示もあります。

先生の言葉に勉強をする気が掻き立てられて、その日は熱心に勉強できたけれど、次の日にはその熱が冷めてしまったことは誰にでも経験があると思います。逆に、誰かの些細な一言がスーッと心に入ってしまい、それ以来、価値観が変ってしまったこともあるかもしれません。

催眠中の暗示もそれと同じなのです。長続きするものもあれば、しないものもあります。

それでは催眠療法を受ける意味はないのでしょうか?

人は生まれてからずっと、多くのストレスを連続的に受け、思いを抑圧し、心をすり減らしながら生きています。もしかしたら私たちの心は、もうボロボロの状態なのかもしれません。

催眠には、そのボロボロになってしまった心を、もう一度まっさらの新品のようにきれいにする力があります。こびりついてしまったストレスを落とし、まるで今まで背負わされてきた鉛の鎧を脱ぎ去ったみたいに、心も体も文字通り軽くすることができます。

もしかしたら、一度で新品のようにはならないかもしれません。もしかしたら、新品になったところで、明日からの生活は再び私たちの心を、ボロボロにしていくのかもしれません。

それでも私は、催眠が無意味だとは思いません。

疲れていたり、ストレスを抱えている心を、少しでも楽にすることができるなら、明日からの生活は確実に変わって行きます。

また疲れてしまったら、また温泉に行けばそれでいいと思うのです。

深い催眠を経験されたことのある方は解ると思いますが、催眠では何でもすることができます。本当に何でも、です。そして同時に、催眠では何もすることができません。

この一見、矛盾して見えるものこそ、催眠なのです。

まだ催眠を経験されたことのない方は、これを読んでちょっとがっかりされたかもしれませんね。でも、ご自分で経験されると、私の言っている意味がよく解ると思います。初めは驚くと思いますよ。自分の名前を忘れてしまったり、笑いが止まらなくなったり、悲しくもないのに泣けてきたり、手が固まったり、勝手に体が動いたり……。あり得ないことが次々に自分の身に起こります。

でもそれが当たり前のことなんだと気がついたとき、催眠への考え方が変ってくると思います。

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